2014年PALLAS


FLY DE SEABASS
2014年12月
あまりにも準備期間がなさすぎた。

スケジュール的に無理があった。

初めて海フライを本格的にやるのに、ロッドもなければ、リールもない状態で、しかも仕事が忙しい期間。

フライロッドも借りれるようにカモノハシさんに手配してもらったものの、やはり挑戦するなら自分のタックルがいい。

ボクの釣りは行く前の準備から楽しむ釣りだ。だから、タックルも事前準備したかった。

ようやく#8ロッドとディスクドラグのフライリール、WF8のフローティングラインが揃ったのは1週間前だった。

そして当日。

午前中にテニスで、ややギックリをやってしまった(ギックリ腰まではいかない、軽度なもの)。

背筋を伸ばして立っていられない。やや前屈みの猿人のように歩く。夕方までにマッサージ機と、低周波治療器、そして風呂でなんとか猿人スタイルで数時間いることができそうになった。

出発数時間前。そんなことでバタバタしていて放置していたスマホを見ると、カモノハシさんからの着信。
すぐに電話すると、体調が悪くてキャンセルするとのこと。

何が起きたかよくわからず、電話を切って冷静になってかなりアセッタ。

今回、フライでシーバスの初挑戦。

なんたって石垣島にまでフライで行ってしまうスゴウデ海フライのカモノハシ先生に教わろうと思っていたから、どうしようかと。

もし、フライがろくに投げられなかったらどうしよう。

キャプテンの鹿内さんがとっておきのポイントにボートを着けてくれて、もし私がポカをやらかしても、カモノハシさんがいれば、笑ってごまかせそうだし、なにより、「ここはカモノハシさん、どうぞ」とスルーできるのに。

キャプテンとのマンツーマンでは、ミスは全部見られてしまう。どうしよう。頭がぐるぐるとしてくる。

午前12時。船着き場の工場地帯に到着。ここは一人で待っていると、すごく不安になる場所だ。刑事ドラマで、密売人とかが出入りしそうな場所だ。

午前1時ちかくに前組の人たちが戻ってくる。状況を聞くと「70アップがでた」「場所によってボイルがあってもでない」という。

準備をしてボートに向かう。

キャプテンの鹿内さんから、カモノハシさんから預かったカモノハシmadeの海フライをいただいた。具合が悪いのに、ボクのための届けてくれたのだ。

いい人だなぁ。

鹿内さんに、「渓流フライはやっているが、海フライはボラくらいしか釣ったことがないこと」などを説明し、全面協力をお願いする。

「まずは、一匹をフライで釣ることを目標にしましょう」と言ってくれる。キャスト、リトリーブ、アワセ、ファイトの方法などを細かくレクチャーしてくれる。

「よくわかります。」けど、釣れてパニックになったら、ちゃんと教えてくれたことが守れるか全く自信がない。できなかったら、ごめんなさい!

02のナイロンリーダーじゃ、不安ということで、鹿内さんが、リーダーシステムを作り替えてくれた。フロロが準備できず、売ってたナイロンを持ってきたのです。いかんせん、準備不足を後悔。

しかし、色々と聞けたので、この次は大丈夫です。そもそも海フライってネットにも詳しくでていないし、でてても正確ではないことが多いらしい。

最初、ボイルポイントは激戦区だけに、先行者がいてだめだった。去年、ルアーで爆釣したところだったので、「あそこなら一匹くらいは」と行く前に予想していただけに厳しい。

次はもう沖合の停泊船まわり。集魚灯が付いているところで、前の組は3本も取ったというところは、沈黙。

数カ所回るが、すべて反応が悪い。ルアーをやってみても反応がない。らちがあかないので、鹿内さんがルアーをやると、ちょっと良いサイズが追っかけてきたが食うほどではなかった。

さらに数カ所回る。

最初は散々なキャストだったが、風も無いことが幸いして、ようやくなんとかキワに落とせるようになってくる。

ようやくボイルポイントで、一匹、カモノハシさんmadeのゾンカーに当たりがあり、30センチクラスのセイゴが釣れた。すっごくウレシイ。

しかし、フローティングラインしか準備できなかったことで、深い場所が探れず、攻め手が少ない。鹿内さん曰く、本来ならタイプ4も欲しいとのことでした。スミマセン、カモノハシさんからもアドバイスをもらっていたのに、準備できませんでした;。


鹿内さんもあまりの反応の薄さに、違うフライに付け替えてくれた。クレージーチャーリーにして、ようやくヒットが続く。しかし鹿内さんは釣れるサイズが小さいとのこと。

でも、これでも随分面白いんです。

「食っているベイトが小さいからね」

鹿内さんも色々とポイントを変え動いてくれるし、うまく操船して私のリトリーブをサポートしてくれている。そういった気持ちがわかるだけにデカイのを出したいところだが、いかんせん、イマイチ・

そうこうしているうちに、時間は過ぎていく。

最終段階のポイントで、ボイル発見。「あかりの向こう側にキャストしてください」

フライも変更してくれて、うまくキャストできると、ザバッ!と水しぶきが立ち、強烈な当たり!。

スゴイスゴイ。ロッドが満月になる。ここまでとりあえず小さくても何本か釣っていたことが幸いし、あまりパニクらず寄せてくると「大きいね!」と鹿内さん。

ネットに入った魚は計測すると61センチのグッドコンディションのシーバスだった・。思わず握手。

「まだいるよ!」ということで、再びキャストすると、さらに!でかい。サイズアップの67センチ!


その後も、結果、そこだけで60クラス、3本、50クラス2本、チビ数本をゲット。

「次釣ったら終わりましょう」のラス1本も60ジャストという最高の幕切れでした。

今回、初挑戦なのに、初心者なのに、スゴイ釣果になってしまった。ビギナーズラックを絵に描いたような釣行になった。

海フライ、面白い!ちまたに情報がないだけに、鹿内さんの経験からくる色んなアドバイスは血となり肉となるものでした。また挑戦します。










END