Tackle


Bill Ballan

かねてよりバンブーロッドに合うクラシカルなリールが欲しかったのである。
フライリールは、意味もなく(本当はあるのかもしれないけど)高い。
最新鋭のスピニングリールの様々な機能には開発者のありとあらゆる知恵が入っているので高いのはわかるが、単なる糸巻き機能しかないフライリールが最新鋭のリールと同じか、あるいはそれ以上というのには納得がいかなかった。
けれど、そろそろただ単に川に行って、魚を釣って、よかったねというのではないかなと思うようになった。
どうせなら、その雰囲気で釣りたい。
クラシカルなリールは、いくつもあるが、個別に「これがどうの」「あれがどうの」というリサーチも面倒くさい。
一発、デザインと値段で決めた。
ビルバラン。かつてどこかの記事で聞いた名前という程度の知識でこれに決定。
ちょうどWF5が綺麗に入ったので、これで秋田に行った。
そして良いヤマメが釣れ、絵になる写真が撮れた。
新しい相棒として色々な川にいくだろうね。




ウェーディングスタッフ

ここ数年やたら足腰が弱くなった(と思う)。 里の川にしか行かない私としては、比較的体力を使わないし、なにより昔からそれほど体力があるわけではなかった。 特に、解禁当初は川の中を普通に歩いていても、足を痛めるようなコケかたをするようになった。 昨シーズンの後半より、「ウェーディングスタッフを買おうかな」と考えてはいたが、ついに今年のシーズンインの段階で購入した。以前は、「スタッフなんて使うのは年寄りだね」と思っていたが、使ってみると非常に助かる。ついにシニアの仲間入りだ。 流れの強い場所でも心強い。 「もっと早く買えばよかった」目の方も、コンタクトを使うと、ルアーにラインを通すような感じの近い距離が見えにくくなった。 しょうがないね。




Ambassador

当時のルアーリールの最高峰として、あこがれの対象だったのは、ミッチェル、そしてABUだった。
特にベイトタックルでは、ABUのアンバサダーにガルシアのロッドというのが、憧れのタックルだった。
中学生の私は、ABUの5000Cをねだって買ってもらったものの、あまりにも高価だったので、既にもっていたダイワのミリオネア3Hをメインに使っていた。 だから、実践に投入したのは購入してから6〜7年経った頃だ。
当時のベイトリールの進化は早く、既に市場にはマグネット制御によるバックラッシュ防止機能が付いていたが、長らく遠心ブレーキに慣れた私は結果として、学生から社会人になってバスを辞めるまでアンバサダーがメイン機となった。こいつにストレーンの10ポンドを巻いて、雄蛇が池や、河口湖に通った。バスを辞めてから、アンバサダーの登場機会が無くなった。新たに始めたベイジギングに投入しようとPEラインを巻いたりした。しかし、あるとき、ふと思いついた。
本来は、銀山湖の大イワナを釣るために、あるいは、リリーパットのポットベリーを釣るために存在するのではないか。そう考えて、私はアンバサダーを綺麗にメンテナンスし、釣り具のいれてある引き出しに仕舞った。私の所有しているアンバサダーは、取り立てて珍しいものではない。けれど、中学生の私が、このアンバサダーを手に入れたことで、釣りが生涯の趣味となった記念すべきタックルだ。いつの日か、銀山湖の大イワナを。いつの日かポットベリーを。その日まで、大切な宝物として仕舞っておこうと。もしかしたら、アンバサダーを持ち出すのは、随分と先になるかもしれない。でも、そのとき、老釣師の相棒として、アンバサダーは最高の友だろう。
「随分お互いに年取ったよなぁ。ゆっくり行こうや」