2016年開幕


ようやく初日
2016年5月



雨は止んでいたが、まだどんよりとしている。

初めての川に入ったときに、また細かい雨粒があたりだした。

川面はどす黒く流れているので、味方という感じがしない。

春先から随分と川には裏切られてきたからかもしれない。

極めて入りやすい場所から入ったので、そうそう簡単には出ないと思って居たが、あっさりと私の不細工なパラシュートフライに出たのは、岩魚だった。

解禁の一匹目。5月の声を聞いてようやくの一匹目が岩魚とは、随分と変わった年になりそうだと思った。

リリースするときにはじめて、思ったより水が冷たいと感じた。今年3回目の中京圏でのはじめての魚だった。

川は蛇行し、浅い場所が多いものの、時折深場もある良い川だ。前の二回の川のジンクリアさと比べて、多少の濁りも希望が持てる。

黒っぽい川なので、ちょっと明るめのグレーのフライに変えたところ、すぐに来た。

今年初のアマゴ。8寸足りないくらいだが、非常に嬉しい一匹だ。

また今年も山女魚、雨子に会う旅を始められたこと。

空は今にも降り出しそうだが、心は晴れ晴れとしてきた。


END